門人K episode6 =夢の途中=


八光流柔術のある日常

さぬき練成会 門人K の場合 episode6

=夢の途中=

 今現在、光の見えない闇の住民となり約8か月。先を見通すことは現段階では出来ない が、おっさんには夢がある。
夢は見るもので、目標は叶えるもの!目標ではなく、夢とは…。
おっさんは段位に興味はないと記載したことがあるが、これは本当のことである。八光流 の教育システム上段位を上げていかなくては、次のステップに進めない。従って更なる上の段位を取得したいと思うようになった。これは目標である。

 昔から武道にはかかわっており、弓道、合気道、八光流と続いている。弓道は県代表選手として国体に出場したが、競技に対する執着もなく国体後にあっさり引退してしまった。
合気道も仕事の都合上道場までの距離が通える範囲にはなくなりフェードアウトした形となった。どちらもおっさんにとって中途半端な形で終了し少し後悔がある。
そのようなこともあり、おっさんの興味はそれぞれの道で【師範、達人、名人、武神】
色々形容される人達で、【師範以上の実力の人たちはどのような景色を見ているのだろう か?】ということである。自分がいまだに到達していない世界の景色。

 おっさんが現在通っている八光流の【師範、皆伝師範、道場長、宗家】それぞれ違った立場により、その人なりの違った景色を見ていることは想像出来る。
師範、皆伝師範たちは更なる高みを求めて、道場長は通ってくる門人をどの様に指導すればよいか心を砕いて日々思い悩んでいるだろう。宗家ともなれば流派そのものを率いていかなくてはならない立場である。初代、2 代目、3 代目(次期宗家)、同じ宗家でもそれぞれ立場の違いから見ている景色は自ずと違うだろう。
だから、夢なのである。同じ景色を見たいと半面、それは当事者以外の他人では決して見ることのできない景色であると理解しているからである。 夢を見ないと目標も見つからない。決して見ることのできない景色(夢)を追い求めて、 段位(目標)を上げる。

おっさんの物語は続くのか、途切れるのか。
未だにおっさんは夢(闇)の途中…。




終。

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