門人Kの場合 episode7 =八光流を続ける理由=

八光流柔術のある日常

さぬき練成会 門人 K の場合 episode7

=八光流を続ける理由=


◎一つ目(楽しい)
 一般的に、他人に転ばされたり関節技をかけられることは気持ちの良いことではないと思う。しかし、体験入門で初めて八光流の技を受けた人はみんな笑顔になり楽しそうである。
おっさんも凄く楽しかった。鮮やかに技が決まると、掛けたほうも、掛けられたほうも不思議と何故かみんな笑ってしまっている。
入門して2年以上が経過したが、未だに新しい発見あり、悩みあり、喜びありで【楽しい】が色褪せない。

◎二つ目(身体的に良い効果がある)
 五十肩、坐骨神経痛が全く出なくなったのである。このことは他流派の武道、ヨガ等を習っている人 達も同様に感じていることかもしれない。
特に八光流は経絡の働きを術理に取り入れているため、指圧効果もあり、稽古を重ねていくうちに痛みも気持ちの良いストレッチに変わっていくようになる。
「健全なる精神は健康なる身体に宿る」⋯健康第一は身をもって体験しているので、本当にその通りだと思う。

◎三つ目(精神的に良い効果がある)
 「挑まず、逆らわず、傷つけず」の精神のもと、護身に重きを置く武術が八光流である。護身道は稽古においても、日常生活においても他者と競わず、争わない(と思う)。
結果、他人と勝敗を競うといった競技武道や格闘技とは違い、殺伐感や優越感、劣等感、強烈な競争心、嫉妬心等が発生しない。
競争心や劣等感等は努力する気持ちや上達を願う心のエネルギーになる反面、他者に対するネガティブな感情を発生させる元凶になりやすい。
勿論、世の中は競争社会であるので生きている限り何事においても勝ち負けの輪廻から離れられない。
勝つ喜びや負ける悔しさを知ることは大切なことではある。
その中で、勝ち負けを越えたとこにある八光流は、日常生活のオアシスだと感じている。

◎四つ目(観察眼が自然と身に付く)
 他の人の立ち姿、身のこなし、自然体の美しさや柔らかさ等を客観的に観察出来るようになった。
他武道やヨガ、スポーツ、伝統芸能者等で技量の優れている人達、逆に全く運動をしたことがない人達の動きが一目で理解できるようになった。
おっさんが稽古で行き詰った時は、あえて八光流以外の武道、ヨガやスポーツ及び伝統芸能者等の動きを観察するようにしている。術理や思考が八光流と共通しているもの、あるいは八光流に応用できそうな身体操作を見つけてその人達の良いところを自身に取り入れてみようとの考えである。

◎五つ目(程よい技術体系)
 武道の中には膨大な技術体系を身につけなければならないものが多い。また、長い経験日数を経なければ昇段審査の対象にならない事も多い。よほどの才能と努力がなければ短期間での習得は難しいと思う。おっさんも八光流の入門前に色々な武道を調べたが、50歳をとっくに過ぎた初老ともなれば敷居が高すぎると感じた。
八光流は護身として、最少の技数に絞り、系統立てて教授するシステムが確立している。そのため短期間での習得が出来るように考えられている。
物忘れの世代であるおっさんにとって、とてもありがたいことである。中には「そんなので武道として使えるの?」と疑問を持つ人もいると思う。
その答えとして、ある日師匠に「Kさん皆伝師範になってからが本当のスタートですよ!」と言われたことがあるが、皆伝師範までが算数でいえば九九にあたるのだと思う。九九を覚えたらあとは自分に合う計算の応用を確立すればよいのだと思う。おっさん的にはその様に師匠の言葉を受け取っている。

◎まとめ
 おっさんの性格上、単純な運動ではすぐに飽きてしまう。逆にあまりに難解な技術を要する運動はやる気が失せ、興味が無くなってしまう。身体を痛めつけるような激しい運動はしたいとも思わないし、出来ない。また、マウントを取ってくるような人が多い競技の世界(個人の感想です)では人間関係で面倒くさくなってしまう。
 「楽しい」「身体的に良い効果がある」「精神的に良い効果がある」「観察眼が自然と身に付く」 「程よい技術体系」これらがおっさんにとって飽きることなく、辞めたいと思うこともなく、八光流を続けている理由であり、八光流の魅力である。
色々理屈っぽく書いたが、要するに「楽しい」「八光流が好き」と言うことである。
「好きこそものの上手なれ」と言うが、好きという気持ちだけでは一朝一夕に上達しない事も事実であり、これからも長く八光流と関わりながら少しづつでも心技体の充実を図りたいと願うおっさんなのです。

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