門人K episode3 =入門後初段技の苦悩=

【投稿者:門人K】

八光流柔術のある日常
さぬき練成会 門人K の場合 episode3

=入門後初段技の苦悩=

 入門後2~3 か月程すると一通り初段技をこなし次のステップに移行したことを感じるようになった。思うように技がかからないのである。師匠の技は面白いようにかかるのに、門人同士だと思うようにいかない。

 色々思案し、試した結果小手先の技に固執している自分に気が付いた。技がかからない為、 無理にでもかけようとして無意識に力んでいたのである。接触点に気をとられ姿勢を崩す 等々あげればきりがない。おそらく、掛け側も不必要な力を感じ取り、なんとなく抵抗してしまったという感じである。

 師匠からも「技の方向性は間違っていないので、女性や子供と稽古している気持ちで優しく心がけてください」との指摘を度々受けていた。

 ここであることに気づく。八光流の【挑まず、逆らわず、傷つけず】である。入門当初【挑まず→喧嘩を売らない】【逆らわず→喧嘩を買わない】【傷つけず→必要以上に相手をボコらない】位に考えていた。

 稽古を重ねるうちに【挑まず→相手と和合する】【逆らわず→シチュエーションを理解し 正しく技に掛かる】【傷つけず→相手に敬意を払い優しく柔らかく接する】ではないかと考えるようになった。このことは稽古態度だけではなく、日常生活における態度、姿勢にも共通していると考える。これはおっさんの考えであり、真の意味かどうかは解らないが、師匠からは、「そこに気が付くことは良いことですよ」とお褒めいただいた。

 この後、【挑まず、逆らわず、傷つけず】を常に意識し念仏のように唱えながら稽古をすることにより、自分の技が急速に変化していくことを何となく感じるようになる。

 【挑まず、逆らわず、傷つけず】は一見意味がなさそうで、実は相当に深い意味が込められている言葉であると一人で勝手に感心していることは恥ずかしいので秘密にしておこう。




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